介護食作りインストラクター資格は、介護食の役割、作り方、栄養バランス、施設での食事、誤嚥性肺炎の防止といった高齢者の食事について必要な知識をもったスペシャリストに与えられる資格です。
高齢化社会にある日本では、家族の介護を行う人や介護士として働く人達にも注目されており、ここでは介護食作りインストラクター資格取得で身につけられる学習内容を少し詳しくまとめています。
より詳細な内容は資格公式サイトをご確認ください。
介護食作りインストラクター資格で学べることは、大きく分けて下記の3つの項目です。
1つ1つ詳しく見ていきます。
年を重ねるとあっさりとした味付けや、淡白な食材を好むといった特徴があります。
また、認知症の症状には嗜好の変化があります。
高齢になってくると食べられるものも制限されてくるので、調理や献立の工夫が必要です。
高齢者に食べやすい食品 | 高齢者に食べにくい食品 | ||
硬さの目安 | 食品 | 硬さの目安 | 食品 |
おかゆ状 | おかゆ パン粥 | 硬い生野菜 | きゅうり 千切りキャベツ レタス |
乳化 | ヨーグルト 飲むヨーグルト アイスクリーム | 繊維が残る | ふき ごぼう セロリ たけのこ もやし 青菜 パインアップル |
ポタージュ | ポタージュスープ カレー シチュー | スポンジ | がんも 凍り豆腐 はんぺん |
ネクター | ピーチネクター 果物の缶詰をミキサーしたもの ピューレ | 酸味 | かんきつ類 酢の物 酢味噌 |
硬い食材・大きい食材 | 細かく切る すりおろす よく加熱して柔らかくする 蒸し器や圧力鍋を使う |
繊維が多い食材 | 皮を取り除いて数箇所切れ目を入れる 隠し包丁 つみれにする |
口の中でまとまりにくい食材 | とろみを付ける ゼリー状にする 片栗粉やとろみ剤を使う |
嚥下とは、食べ物が認知され、口腔、咽頭、食道を通って胃にいくまでの全ての過程を表します。
高齢になると、嚥下機能が低下していきます。
嚥下機能が低下すると、下記の疾患を引き起こしてしまいます。
これらを防止する食事作りや献立作りが大切です。
嚥下能力は、人それぞれ体調や能力によって違います。
高齢者の身体状況を考えて、適切に選ぶ必要があります。
嚥下能力は、噛む力と飲み込む力から、総合的に判断します。
それが、誤嚥を防ぎ、食事中にむせることを防止します。
さらに、自分で食べられるかも重要なポイントです。
食事の特徴 | 適応する人 | 適応しない人 | |
流動食 | 液状のおかず・重湯 | 術後高熱が出て胃が弱っている人 | 低栄養の人 |
嚥下食 | 柔らかく調理してからミキサーなどでペースト状・ゼリー状にしたもの | 嚥下機能が低下した人 | – |
ミキサー食 | ミキサーで液体状にしたもの 誤嚥防止のためとろみ剤でとろみをつけたもの | 嚥下機能の低下した人 | 食魂が作れない人は誤嚥の原因になる |
ソフト食 | よく煮込んで柔らかくしたもの 舌で潰せる硬さ | 噛む力が低下した人 食魂の形成が難しい人 嚥下機能の低下した人 おはしがうまく使えない人 | – |
きざみ食 | 食べ物を小さくきざんだもの | 噛む力が低下した人 入れ歯が合わない人 口が開きづらい人 | 唾液の少ない人はむせやすくなる 入れ歯を使っている人は入れ歯と歯茎の間に食べ物が入りやすくなる |
毎日の食事は、自分のペースで食べたいものです。
自分で食べられる持ちやすいお箸やコップ、お皿などを上手に工夫することで1人で食事ができるようになります。
お皿 | スプーンで横からすくう場合床面積が広い平たい食器がいい おはしやフォークで刺す場合食器のふちがそった返しがあるといい 底に滑り止めゴムがあると動きにくい |
飲み物用具 | 倒してもこぼれないコップ 首を動かさなくても飲める内側が傾斜したコップ 大きなもち手のマグカップ ストローが固定できるクリップ 安定して使いやすいものがいい |
はし・フォーク・スプーン | ホルダー一体型のはし ピンセットのように握るだけで、自動で緩められる 柄を太くしたもの スポンジを付けて柄を太く握りやすくする 使いやすいように柄を曲げられるスプーン 手に装着できる補助ホルダー |
食事補助具 | 食器の下に敷く滑り止めマット 食べ物をキャッチするエプロン ホルダー付き手首スプリント |
介護食インストラクター資格は、介護の現場ですぐに役立つ知識を身につけ、美味しい食事を無理なく作る介護食のプロフェッショナルです。
もちろん、普段自宅で介護している人にとっても有効な資格です。
介護をする人もされる人も心地の良い環境を、知識として身につけられます。
あなたも介護食インストラクター資格を取得してみませんか?